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サンバの歴史(1)【親和性の回復】

サンバの歴史(1)
【親和性の回復】


サンバに限らずブラジル音楽には北米のジャズやブルースのような闘争的な表現は稀です。歌詞の内容だけでなく、演奏においてもソロ回しで拍手の量を競うような習慣はあまり見かけませんが、このことはブラジルの歴史や社会と関係があるように思います。

ブラジル人には純粋なアフリカ系、ヨーロッパ系、ネイティブ系は多くなく、大半の人が複数のルーツを持つ混血です。「肌の色の濃さ」による経済格差はありますが、北米のような人種差異を根底に持つ社会とは異なる高度なハイブリッド社会です。

毎年開かれるカーニバルで演奏されるサンバ曲(サンバ・ヂ・エンヘード)の歌詞は基本的にブラジルの歴史を扱った叙事詩で、奴隷として連れて来られたアフリカ人の悲しみ、無血革命の誇りと奴隷解放の喜びが繰り返し歌われます。

音楽的にアフリカとヨーロッパのミックスであるサンバは、当然その担い手も2つの人種の混血が多数派となります。

ここで重要なのが、エンヘードを歌い踊る人々の大半が為政者と奴隷、加害者と被害者双方のルーツを持っていることです。彼らは2つの意味で当事者であり、人種的な葛藤はそれぞれの人の中で昇華されなければならない。

だからサンバは闘争の音楽ではなく、親和性の回復の音楽でなければならないんです。

サンバ・プラネッタでは直接抗議よりも周知活動をより積極的にやっていきたいと考えているのも、このようなサンバの性質と関連しています。

(2013/5/2 シトロン稲葉)
Copyright (C) 2013 シトロン稲葉, All rights reserved.

→ サンバの歴史(2)【初期のサンバと出稼ぎ難民】
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theme : ブラジル音楽
genre : 音楽

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